こんにちは、Portafortuna♪光琉です。
前々回、前回と2回にわたって牛乳について書きました。紅茶専門店のブログですので、牛乳紹介ばっかりしていてもしょうがない、ここからが重要です。どうしたら美味しいミルクティーが飲めるのか?ですね。これについて今回から2回に分けて書きたいと思います。
ちなみに、以前にも一度書きましたが、ミルクティーと言うのは和製英語でちゃんとした英語ではティーウィズミルクと言うそうです。
美味しいミルクティーを淹れるために
美味しいミルクティーを淹れるためには①ミルクティー向きの茶葉を使う、②濃いめの紅茶を淹れる、③牛乳は熱くしない、の3点が大切です。
①ミルクティー向きの茶葉を使う
紅茶と言っても、ダージリンやアッサムといった産地名で販売されているシングルオリジンティー(広義)もあれば、アールグレイとかストロベリーティーといったフレーヴァードティーもあるし、イングリッシュブレックファストやアフタヌーンティーブレンドといったブレンデッドティーもあります。どれがミルクティーに向いているかなんてわかりませんよね。
フレーヴァードティーの代名詞のようなアールグレイひとつとってみても、いろんな茶葉メーカーから販売されています。トワイニングもリプトンも日東紅茶もマリアージュフレールもフォションもTWGもみんなアールグレイを製造・販売しています。おまけに、アールグレイと言えば中国紅茶にヴェルガモットの風味を付けたものという通念から外れた、インド紅茶を使ったものや、ヴェルガモットではない柑橘を使ったものなどいろんな味わいのアールグレイが販売されています。アールグレイがミルクティーに向いていると言うからには全てのアールグレイが向いているのかと言えば、だからそうでもないんです。ブレンデッドティーも一緒です。各社がイングリッシュブレックファストの名前でいろんな味わいのイングリッシュブレックファストを製造・販売しています。なので、フレーヴァードティーやブレンデッドティーについては基本的にパッケージ書いてあるのを鵜呑みにしたら良いと思います。ミルクティー向きと書いてあれば向いていると思ってまずは良いと思います。そして自分で実際に試してみて、好みのミルクティーを淹れられるかどうかで最終判断したら良いと思います。当店でもミルクティー向きと書いて販売しているフレーヴァード/ブレンデッドティーあっても実際に試してみて?だったらミルクティー向きとしては提供しません。もちろん逆もあります、「ミルクティーでも美味しいやん」と思えばおすすめしています。
次に、シングルオリジンティーについて見ていきます。ダージリンファーストフラッシュやダージリンセカンドフラッシュといったごく一部の紅茶を除き、ほとんどのシングルオリジンティーはミルクティーにも向いています(セカンドフラッシュはミルクティーにも合うという意見もあります)。当店ではストレート向きと書いてメニューに載せているキャンディやヌワラエリヤも実際にはミルクティーにしても美味しいです(ストレートの方がより美味しいと思うのであえてストレート向きとしています)。ほとんどの紅茶がミルクティーに合うとは言え、その中でもやっぱり「これは特にミルクティーに向いとんな~」というのがあります。アッサム、ルフナ、サバラガムワ、ウバです。これらの茶葉を使ったミルクティーは特におすすめです。
②濃いめの紅茶を淹れる
美味しいミルクティーを淹れるためには、紅茶(液)に渋味とボディー(舌以外の口中で感じる渋味)、コクがしっかりあることが大切です。ストレートティーで飲むには強すぎるぐらいに意図的に渋味・ボディー・コクを強く引き出した濃いめの紅茶にミルクを注ぐことで、ほどよく和らぎ奥行きのある美味しいミルクティーが出来上がるのです。さきほどおすすめしたアッサム・ルフナ・サバラガムワ・ウバにはこれらの要素が特にしっかりあるということです。渋味・ボディー・コクを生み出す成分を茶葉からしっかり引き出すためにはきちんと高温の湯を使って紅茶を淹れることが大切です。高温の湯でないと成分をしっかり抽出できません(おすすめの紅茶の淹れ方を以前記事にしていますのでそちらを参考にしてみてください)。そして、紅茶の抽出時間を長く、うんと長くします。茶葉の種類や好みもありますが、個人的には20分(以上)ぐらい抽出して作ったミルクティーが好きです。ティーコジーで覆っておけば30分ぐらいは紅茶を熱々に保てますから冷める心配もないです。なので、当店ではミルクティー向きの紅茶は茶葉をポットに入れたまま提供しています。1杯目はストレートで楽しんでいただき、濃くなった2杯目をミルクティーで楽しんでいただくというのがベストだと考えているからです。また、茶葉の量を少しだけ多めにするのもおすすめです。茶葉のサイズ(等級)は成分を引き出しやすいCTCとか細かいメッシュの茶葉がおすすめです。
③牛乳は熱くしない
牛乳は常温がおすすめです。冷たいとミルクティーの温度が下がるし、温かいと熱い紅茶と合わせた時に牛乳中のたんぱく質が熱変性を起こしてミルクティーの風味に影響を与えるからです。でも常温っていうのは難しいですよね。紅茶飲むのに1時間前から準備せなアカンのかい!って話になっちゃうので。特に店では不可能です。方法としては、予め温めておいたミルクピッチャーに冷たいままの牛乳を注いで多少なりとも牛乳が温まるようにする。あるいは電子レンジで牛乳を軽~く温めるぐらいです。鍋で牛乳を温めると、鍋の面に接している部分は高温なので牛乳のたんぱく質が熱変性してしまうためおすすめしません。ちなみに、イギリスの牛乳は低温殺菌が主流だそうで、冬でも絶対に牛乳を温めないそうです。温めちゃうとせっかくの低温殺菌の良さがなくなっちゃうからです。
牛乳以外には、エバミルクと呼ばれる無糖練乳もおすすめだそうですが、僕は試したことがありません。コーヒーフレッシュは植物性脂肪のものが多く、紅茶の風味を損なうのでおすすめしません。純生クリームならノンホモ牛乳のクリームラインと同じことなのでおすすめできます、ただし量に気を付けて。
紅茶:牛乳=9:1
ここまで美味しいミルクティーを淹れるための3つのポイントをご紹介しました。では、紅茶と牛乳の割合はどれぐらいが良いのか?茶葉の種類や抽出時間、好みによりますが、牛乳が1割ぐらいがおすすめです。これぐらいだとしっかり紅茶感のあるミルクティーを楽しめます。
茶葉に150gの湯を注いで紅茶を淹れると、出来上がりは135gぐらいになるとして、15gの牛乳を足すイメージです。そうすると150gのミルクティー(=ティーカップ1杯)がちょうど出来上がります。ちなみにティースプーンで牛乳1杯は4g程度です。