こんにちは、Portafortuna♪光琉です。
夕立ぜんぜん降りませんね、毎日花壇の水やりが大変。そろそろ降ってよ~。雨乞いでもするかな。
さて、少し前に百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」を読んで読書感想文を書きました。
あの本が余りにも面白かったので続けて百田さんのデヴュー作「永遠の0」を読みました。こちらも随分前の大ベストセラーですから、このブログを読んでいただいている方の中にも読んだ方がたくさんみえると思います。岡田准一さん主演で映画化もされて、大ヒットしたのでそちらで観た方も多いんじゃないでしょうか。ちなみに僕は岡田准一さんは旧ジャニーズで一番格好良いと思っています。
で、本ですが、一言、最高です。大好き。これも読んで良かったな~。今この感想文を書いてる時点ですでに読み終えてから数日経過しているんですが、ずっと頭から本の内容が離れません。好きなシーンを何回も読み返してしまいます。睡眠削って読んでしまいます。好きな本は何冊かありますが、こんなに読み返してしまう本は初めてです。
文庫本の帯に「これから読める人が羨ましい」って宣伝文句が書いてあるんですが、わかるな~。
永遠の0
ネタバレになっちゃうといけないので詳しくは書きません。
神風特攻隊で亡くなった祖父のことを戦後60年経った夏に孫の姉弟が調べていく話です。祖父のことを知る人たちを訪ね、話を聞いていくうちに祖父がどんな人だったのかがだんだんわかってきます。なぜ特攻したのか。そして心を揺さぶられるラスト。
考えさせられるシーンがたくさんあります。呆れるシーンもあります。腹が立つシーンもあります。感嘆するシーンもあります。そして泣けるシーンがいくつもあります。大福餅のシーン、語り終えた元戦闘機乗りが窓越しに空を見つめ話すシーン、戦後は道を踏み外した元戦闘機乗りが主人公との永遠の別れの場面で一人叫ぶシーンは特に胸に迫りました。
僕はこれまで戦争については何も知りませんでした。学校で習った記憶もほぼないし、戦争経験者も近くにいたのにほとんど聞いたことがありませんでした。調べようとも聞こうともしなかったです。真珠湾もミッドウェーも特攻も沖縄戦も聞いたことはあるけど何か遠い話。原爆ですらそうです。正直「火垂るの墓」で観た世界だけが僕の知る戦争です。第二次世界大戦もガリア戦記もハンニバル戦記も応仁の乱も関が原もレパントの海戦も朝鮮戦争も全部まとめて歴史上のことでしかありませんでした。
だからこの本の中で書かれている内容がどこまで史実なのかはわかりません。百田さんの主観もあるだろうし。でも、なんやったんやあの戦争。負けるべくして負けてるやん。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。」故野村克也氏の座右の銘として有名ですが、もとは昔のどこかの藩主の言葉だそうです。まさに不思議の負けなしですね。軍のお偉方無能過ぎ。本当に腹が立ちます。現代の官僚社会と一緒の構造だとは百田さんも上手いこと書きましたよね。
後出しじゃんけんが得意技の物知り面したマスコミ、事実を捻じ曲げ都合よく解釈して喧伝する為政者、結局馬鹿を見せられる国民は、でも良かれと盲信して同調圧力、この国79年前も一緒やん!
でもこの本を読んでいて一番嫌な気分になったと言うか、同じ日本人として恥ずかしいと思ったのが、戦時中は特攻隊員のことをおらが村の英雄として扱っておきながら、戦後は手のひらを返して戦犯扱いしたってことです。そんなことがあったんですね。戦時中は軍・マスコミ・過激な体制派からの圧力・脅迫・威嚇・恫喝で戦争反対とも言えず、特攻隊員を無理やり英雄扱いしていたのかもしれませんが、だからと言ってお国の為と苦しみながら身をささげた人たちを戦後は手のひらかえして戦犯にまで仕立て上げるとは厚顔無恥も甚だしい。本当に心の底から志願した特攻隊員なんていたはずないのに。
このシーンでこう思った、あのシーンでああ感じた、書きだしたらきりがなくなります。ぜひ読んでください。終戦記念日も近いし、ちょうど今の時期に読むのにぴったりな本です。主人公が特攻したのはこの2~3日中という設定です。ちょうどお盆休み期間ですし、読まれてはいかがでしょうか?