こんにちは、Portafortuna♪光琉です。
前回は、ブレンド紅茶について書きました。今回はフレーヴァードティーについてです。
フレーヴァードティー
茶葉に花や果物、ハーブ、スパイスの香りをつけたものをフレーヴァードティーと言います。日本では着香茶とも呼ばれます。もともとは、あまり品質のよろしくない茶葉を他の香りで、言ってしまえば、ごまかすのに考えられたのがフレーヴァードティーです。もちろん現在はそんなためではなく、風味のバリエーションを増やしたり、見た目を華やかにしたり、誕生日や結婚式、クリスマスなどのシーンに合った風味の紅茶を作り出したりするために作られています。
フレーヴァードブラックティー(紅茶)ではありません、フレーヴァードティー(茶)です。紅茶とは限らないのです。緑茶や他のお茶でも良いのです。実際に当店でも緑茶のフレーヴァードティーを1種類提供しています。
3つの方法
フレーヴァードティーの作り方は大きく3つあります。
一つ目は、茶葉に香料を吹き付けて作ります。
二つ目は、乾燥させた花や果物、ハーブ、スパイスの実物を茶葉と混ぜて作ります。そして一緒に販売。
三つ目は、茶葉は他の香りを吸収しやすいという性質を利用した方法で、香りづけしたい果物などを茶葉と一緒に一定期間保存して茶葉に香りを移します。そして果物などを取り除いて販売します。
二つ目の方法だと、「茶葉に香りをつけた」と言うより「香りのもとになる原料と一緒に」の方が適切ですね。
価格が抑えられるのと材料が安定して手に入ること、そして種類を増やしやすく、独創的な香りをも作り出せるということから一つ目の作り方が主流です。
海外メーカーのフレーヴァードティーの留意点
水の回で書きましたが、ヨーロッパの水はほとんど硬水です。フランスもイギリスもドイツもです。日本の水はほとんど軟水です、当店も軟水です。これも水の回で書きましたが、軟水で紅茶を淹れた方が香りが立ちやすく硬水で淹れると香りが立ちにくい性質があります。なので、ヨーロッパメーカーのフレーヴァードティーは硬水で淹れても香りがはっきりわかるように強めに香りづけがしてあります。それを日本の軟水で淹れると人によっては強すぎると感じる場合もあります。その場合は茶葉の分量や抽出時間、湯の温度で調整することになります(少なく・短く・低くするとは限りません)。ものによってはミルクティーにして調整するのも良いですし、ペットボトル入りの硬水を使うのも手です。
代表的なフレーヴァードティー
ラプサンスーチョン(紅茶)
中国福建省で作られるフレーヴァードティーの元祖です。英国の格式高いホテルには必ずあると言われます。製茶工程中の乾燥の工程で松柏(しょうはく)の木を燃料にすることで茶葉に燻り香をつけています。強烈に個性的な紅茶で、よく正露丸の香りにたとえられます。好き嫌いが分かれますが、僕はわりかし好きです。英国の硬水で淹れると、日本の軟水で淹れるのと違って、ほどよくスモーキーで穏やかで飲みやすい味わいになるそうです(が、試したことがありません)。スモークサーモンのサンドウィッチやウエストカントリーファームハウスチェダー(元祖チェダーチーズ)と合わせるのが定番です。
アールグレイ(紅茶)
柑橘果物ベルガモットを香りづけした、おそらく世界一有名なフレーヴァードティー。紅茶紹介⑪をご参照ください。
ジャスミンティー(紅茶ではなく花茶)
中国の花茶のひとつ。緑茶などにジャスミンの花の香りをつけたもの。茉莉花茶。過去に台湾や中国に行ったとき、レストランに行くとジャスミンティーを自動的に出してもらえました。さすが、冷たいお茶を飲む習慣のない地域ですから、暑い時期でも熱いジャスミンティーでした(お茶だけじゃなく夏にビールを常温で飲んでました!)。